2010年3月25日
EC構築コンサルティングレポート・コラム no.4
ECサイト構築時におけるシステムの選び方2010年3月15日
Web・EC戦略 コンサルタント 武内 牧
◎このコラムで伝えたいこと
- 現在の売り上げ規模とシステム価格の兼ね合いで選ぶ。
- 求める機能があるか?・・・『モノを売る』以外の目的に応じたシステム選びが重要。
- 将来的な戦略に対応できる拡張性を持っているかが重要。
ECサイト構築を行う上で、避けて通れないのは『どのような形態でECサイトを立ち上げるのか?』ということです。
そもそもモールにすべきなのか、ASPにするべきなのか、EC構築パッケージを使うべきなのか、全て1から構築するべきなのか・・・・? このようなご相談を受けることが非常に多いです。
そこで、独自ドメイン今回はECサイト構築を行う上で重要な、ECシステム選定のポイントをご紹介します。
■1.現在のEC売り上げ規模とシステム価格の兼ね合いで選ぶ。
まず選ぶ基準に挙げられるのが価格です。
現在、ECにおける年間売上額はいくらでしょうか。また、今後いくらの売上を見込んでいますか?
| EC構築パッケージ | カスタマイズ | ASP | |
|---|---|---|---|
| 1.セキュリティ | ○ |
△ |
× |
| 2.機能 | ○ |
◎ |
× |
| 3.大手サイト実績 | ◎ |
◎ |
× |
| 4.システムが対応可能な EC売上規模 |
小~大 |
大 |
小 |
| 5.価格 | 中 |
高 |
低 |
上の表は、ECサイトを構築する際のシステムを比較したものです。
価格の行を見ると、一番高価なのがフルカスタマイズによるECシステム(スクラッチ開発ともいいます)で、逆に一番安いのはASPです。
現在月商が50万円なのに、数千万円かかるフルカスタマイズシステムを選択するのは、
コストを回収するのが難しく、また月商が1億円なのに月額数千円のASPとなると、サーバー負荷や機能の少なさがネックになってきます。
パッケージ、フルカスタマイズ、ASPとそれぞれ主に対象としている売上規模というのがありますので、まずは自社の売上がどこに相当するのかを見極める必要があります。
売上げ規模からシステムを選ぶ場合、売上げの目安としては、ASPは、~5000万円くらいまで、パッケージは ~1億円くらいまで、カスタマイズは、1億円~、というイメージとなります。
※ただECを立ち上げたばかりで、大きく売上があがる見込みがある場合は、最初からコストをかけて作り込む場合もあります。
ここで、各システムのメリットデメリットについてご紹介します。
●EC構築パッケージ
基本のEC機能を備えたパッケージソフトです。
【メリット】
・導入が比較的容易
・自社サーバー、独自ドメインでの運用が可能。
・顧客情報を自社に蓄積することができる。
・カスタマイズすることで、自社の業務フローに合わせたシステムとなる。
【デメリット】
・汎用的に使用できるように設計されているため、会社によっては不要な機能や物足りない機能がある。
●フルカスタマイズ
0から機能やスペックを作り上げていき、そのサイト専用のシステムを構築していく方法です。
【メリット】
・その会社独自の業務フローにあわせたシステムが構築可能。
・細かな機能まで好みに応じて作ることが可能。
【デメリット】
・何の機能が必要で、それはどのような機能かというのをゼロから作り上げる為、仕様決め、プログラム実装ともに時間とコストがかかる。
・既存のシステムをベースにしていないため、不具合が多くなる可能性がある。
※パッケージやASPの場合、バグはある程度出尽くされている場合が多い。
・独自の仕様となるため、ドキュメントの保管や引継を徹底に行う必要がある。
●ASP
簡単にいうと、買い物カゴのシステムをレンタルする方法です。
【メリット】
・導入が容易
⇒ネットワークを介して利用するため、自社のサーバへのインストールなどが不要。
・低価格(数千円~10万円)
【デメリット】
・機能や容量に制限がある。
・顧客情報を抽出、保存できないことが多い。
・自社の業務フローに合わせたカスタマイズが不可。
・デザインの自由度が低い。
■2.現在のEC売り上げ規模とシステム価格の兼ね合いで選ぶ。
ECを始める以上、「何かを売る」のが第一の目的であることと思います。
しかし、実際には以下の様な第二の目的があることが多いです。
- ブランドのファンづくり
- 自社媒体としての育成
- 物流・基幹システムとの連携による運用コスト削減
- 高度なセキュリティ対策など
このような目的によっても、システムの選び方は異なってきます。
ブランドのファン作りをしたいのであれば、会員機能が充実しているか。また、既存の基幹システムや物流と連携させたいならば、データのインポート、エクスポートが容易なシステムで、基幹システムとのインターフェースを修正できる仕組みになっているのか・・。
物を売る以外に、ECサイトに求める目的が何かを明確にしてから、システムを選定することが重要です。
■3.将来的な戦略に対応できる拡張性を持っているかが重要。
ECサイトは作って終わり、ではありません。
特に新規にECサイトを立ち上げる際は、リリース後にPDCAを回していくことで、必要な追加機能が見えてくることが多々有ります。
そのためにも、将来的に拡張性があるシステムを選ぶことが重要です。
例えば、「○○機能」と独立したモジュールになっており、組み込むことで機能を追加できるシステム、またカスタマイズの実績が多くあり、うまく流用することで短納期・低コストでのカスタマイズが可能なシステムなど、長期的にECサイトを育てる時には、機能を拡張していけるシステムというのが必要になってきます。
■4.まとめ
ここまで、価格・機能・拡張性が重要であるとご紹介してきました。
もちろんこれ以外にも、ECのシステムを選ぶにあたっては、沢山の選択基準があります。
セキュリティ、使いやすさ、会社の信頼度・・・。
(参考:ECサイト構築時におけるASPシステムの選び方もご覧下さい。)
しかし、まずはどのタイプのECシステムがふさわしいのかを、『ECサイトをつくる目的』『ECサイトの戦略と売上計画』を考慮した上で前述した3つのポイントから選び、そこから細かな比較をしていくことをおすすめします。
←Webコンサルティングレポート・コラム トップへ戻る
2010年3月 5日
EC構築 コンサルティングレポート・コラム no.3
最新の売れるECサイトのキーワードとは2010年3月5日
Web・EC戦略 上席コンサルタント 椎野 雅子
◎このコラムで伝えたいこと
- 最近のECサイトでのリニューアル要望としてキーワードと感じるのは、以下3つです。 1.集客では「ポイント」(会員の囲い込み・リアルとの連動)
- ポイントを積極的に使用することで、結果ブランド価値を高めることができるようになる。
2.サイト内では「リコメンド」(お客様ごとに情報をセレクトする)
3.注文後は「定期化」(リピート率アップ)
ECのリニューアル時や新規立ち上げ時において、お客さまから取り入れたい施策として、ここ最近非常に多く、でてくるキーワードが3つあります。
それは、1つめは集客の強化として「ポイント」、2つめはサイト内の強化として「リコメンド」、3つめは注文後のフォロー強化として「定期化」です。
まず、今回のレポートでは、集客の強化としての「ポイント」についてまとめたいと思います。
ECにおいて「ポイント」制度が導入されることは、特に新しいことではないという印象かもしれません。
ポイントは割引をすることでリピートを促進する、という本来の目的はもちろんあります。
ただし、最新の「ポイント」事情はその目的がより深いものとなっていると言えます。
最新の目的とは、「リアル店舗とECサイトを行き来してもらい、そこから得た情報により付加価値を与えることで、よりお客様の囲い込みをする」ことを狙っています。
2・3年前くらいまでは、リアル店舗はリアル店舗、EC店舗はEC店舗、というように相互の関係をあまりもたせていなかったサイトが多かったのですが、リアルとECを連動させようとしているサイトが増えてきています。
たとえば紀伊國屋書店様は、2010年2月にリアル店舗とEC店舗のポイントカードが連動しました。
これにより、ECサイトのマイページ上で、リアル店舗での購入履歴と、EC店舗での購入履歴を見ることができるようになります。
リアル店舗とEC店舗でお客さまの買い物における行動心理というのは、異なる部分があるものですので、リアル店舗とEC店舗の購入履歴を分析していくことは、よりお客さまにあったレコメンドやアフターフォローなどのサービスを提供できる可能性があるわけです。
これが付加価値となります。
リアル店舗がない場合でも、「リアルとの連動」という例はあります。
たとえばカタログ通販の場合、カタログ上でEC店舗で使えるクーポンをつけることで、ECサイト上へ誘導が可能になります。
■まとめ
ポイントを積極的に使用することで、お客さまへのサービスを向上させ、結果ブランド価値を高めることができるようになるかと思います。ただ割引だけではなく、お客さまの個人情報をあずかる許可をいただける理由ともなるポイントについて、積極的に使用することは多いに収益をあげる可能性につながると思います。
次は、最新のECキーワードとして、2つめのサイト内「リコメンド」についてまとめます。
←Webコンサルティングレポート・コラム トップへ戻る





